しらべの蔵の想い

【捨ててしまうもの、捨ててはならないもの。

 破れても破れても破れても、まだ捨てず。

 そうして、蓄積された埃は、いつしか誇りとなって蘇る。...

 窓を開けよう!風を通そう!そうしてこの場所に新たな息吹を吹き込もうと思う。】

 

この日記は2016年2月、蔵の片付けをしていた時に書いたものです。

 先々代が畑仕事に着用していた、継ぎはぎだらけの野良着がたくさん,桐のタンスに大切に仕舞われていました。

今の時代、継ぎはぎだらけの衣服を着ることはありません。

汗水流しながら、時代を築いてきた先人達がいることを忘れてはならず、そうした先人達のお蔭で今の私達の暮らしがあるのだということを再認識した瞬間でした。

古いものは どこまでも優しく暖かいです。全てを許し、受け入れてくれるそんな感じがします。

そんな寛容なこの場所にお嫁入りしてきたのが同じ時代に異国で生まれ育った 1927年製ベヒシュタイングランドピアノ。

 共に90歳同士。

このピアノ、人がとっても好きなのです!

ピアノを選定してくださったピアニスト内藤晃さんの門下生の方々の発表会が《しらべの蔵》で開かれた時の事です。

とある参加者の方が、「リハーサルの時と本番では音色が違いますね。人がたくさん入ると、音色が格段良くなりますね」 と仰られたのが印象的でした。人の事が好きなピアノ。人々を優しく包み込む包容力のある蔵。 相性もピッタリです!

 発表会が終わったあと、残った方達でピアノを囲み、代わる代わるに弾く姿にかつてのシューベルティアーデを彷彿させるものがありました。

 新な美しいしらべが生まれる予感がします!

 遠い昔から途切れることなく繋がっていることを蔵がピアノが教えてくれます。

 演奏者と観客の距離を感じない空間で、美しい響きに包まれる醍醐味を味わってください。

 演奏者も観客も もう一度 訪れ(音連れ)たくなる場にして、しらべの蔵で出会った人達の縁が円となって未来へと繋がる場となれば幸いです。

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